東南アジアの医療機器市場の魅力【導入編】



さて、今回からASEANの医療機器市場全体について少しずつまとめていきます。まず、全体から見て、ASEANの医療機器の市場は日本の企業にとって魅力的なのかという視点で書いていきます。時間のない方向けのトップラインのメッセージはこちらです。市場全体及びASEANの公的な範囲でなぜ意味がありそうなのかという点について良い点をまとめて書いています。代理店だったり個別の難しい点については別途取り上げます。

  1. ASEANのGDPは今後大きく成長していき、2030年には日本を超える
  2. 東南アジアでも高齢化は進み、日本国内での高齢化社会向けの製品はチャンスが大きい
  3. ASEANの医療機器の大多数は輸入に頼っており、欧米と比較すると実際に取れる市場は大きい
  4. 今後ASEAN内にて、医療機器の規制の統一化が計画されており、参入障壁が下がる見込み
では一個ずつ説明していきます。

1. ASEANのGDPは今後大きく成長していき、2030年には日本を超える
こちらのニュース記事からの引用になりますが、エコノミストのRajiv Biswasによると2016年の予想で2030年には 8兆米ドル(886兆円)程度にASEANのGDPは成長し日本のGDP全体を超える見込みとなっています。もちろんこちらは2016年の予測で前提としては政治的な改革が進み順調に経済発展が進んでいるという事を置いており、新型コロナウイルスやミャンマーの政変以降多少ずれは生じている可能性もあります。ただし大きな前提としては、ASEANの成長傾向は揺るがないものであり、もし日本での市場と同程度のシェアを取れていたら10年後には単純に売上は倍になっていてもおかしくないだろうという事が言えます。


2.東南アジアでも高齢化は進み、日本国内での高齢化社会向けの製品はチャンスが大きい
THE ASEAN POSTの記事によると65歳以上の人口は2016年に3900万人(6%)が2025年には5800万人(8%)、2050年には1億2300万人(15%)を占めるようになります。GDPが成長し医療に使える余地が増えていく中で、を高齢化社会の流れは東南アジアでも進みます。東南アジアの多くの国において家族や親族の高齢者の面倒を見る事は伝統的な文化として普通の事です。そういった高齢化と文化を背景により多くの費用が高齢化した人口に使われるようになるでしょう。実際に医療機器市場全体の伸びを見ても2011−2016の実績ベースでは中国に次ぐ6.7%の成長。その後もその傾向は続くと予想されています。


3. ASEANの医療機器の90%は輸入に頼っており、欧米と比較すると実際に取れる市場は大きい
MedTech Intelligenceの記事によるとタイ、ベトナム、インドネシアの医療機器市場において、輸入品が占める割合は85%以上となっています。単純に医療機器市場という前提で立つと、CEマークのある欧州、FDAのある米国の方が大きい事は否定できません。しかし、多くの国において様々な事情からその地域にある企業が有利なことが多いです。実際に取れる市場という意味においては、有力な地元企業があまりない市場においてはむしろより大きい可能性もあります。


4. 今後ASEAN内にて、医療機器の規制の統一化が計画されており、参入障壁が下がる見込み

2015年にASEAN Medical Device Directive(AMDD)というASEANの10ヶ国が集まり各国の規制を標準化し承認の条件、認可等を統一化する事を目標として作られた合意になります。こちらのウェブサイトを見ると2018年現在においては、シンガポールのみこの合意が実行されており他の国はまだ実行の道のりの途中となっています。元々の予定では2022年には全ての国で実行される予定となっていますが、私見では難しく2030年くらいには実施されたら良いかなと見ています。


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